■百聞百見は一験にしかず
「百聞は一見にしかず」という有名なことわざがありますが、松下電器産業(現:パナソニック)創業者の松下幸之助の著書の中にはこんな言葉があります。
塩の辛さといったものは、いくら頭で考えたり、目で見たりしてもわかるものではないでしょう。まず、自分でひと口なめてみる。頭で考えるのではなく、みずから味わってみてはじめて塩というものがわかる。そのように体験を通してはじめてものの本質をつかみ、理解することができるという場合が、世の中には少なくありません。
いわば”百聞百見は一験にしかず”ということも、ある場合には言えると思うのです。
出典:松下幸之助・著『松下幸之助 成功の金言365』p,116
現代はネットで調べれば、知りたい情報や見たいものが即座に手に入る時代です。見たり聞いたりすることももちろん大切ですが、それ以上に自らの五感をフル活用し、一度「経験」することはその後の人生においても大きな財産になるものと考えています。
特に子どもや学生など若い世代にとっては、様々な経験の有る無しによって、その後の人生に大きな影響を与えるケースが少なくありません。将来なりたい職業や夢は、何かきっかけがあって初めてなりたいと思えるものです。
私たちは子どもや若者たちの夢そのものを作ることはできません。しかし、普段の生活では得られないような経験の場、機会を提供することで、その夢や選択肢のきっかけを作ってもらえるものと考えています。
2015年9月
NPO法人Curiosity
代表 小川 智康
子どもや若者が多くの夢や希望を持ち、積極的に挑戦できる社会を目指します。
様々な体験活動を通し、多様な価値観に触れるリアルな機会を提供します。
■やってみなくちゃ、わからない
現代の若者はあふれる情報の中で生きています。情報があふれる現代だからこそ、自らの体を使って得た知識や経験がその後の人生において重要な意味を持ってくるものと考えています。
直接見て、聞いて、触れて、考える。そして、失敗を恐れず、小さなことでもまず一度チャレンジしてみる。その試行錯誤の過程で得られた経験には、ネットで拾った情報とは違い、大きな価値があります。
五感を使って得た経験こそ、これから生き抜く術を身につけていく若者にとって、大きな武器になると考えています。
■岐路に至るまでに視野を広げる
現在の高校のシステムでは、おおよそ2年生までに進路を選択するケースがほとんどです。大学生でも同様に、就職活動が本格的に始まる3年生頃に、目指す業界や就職先等を絞り込んでいきます。
私たちは、この「岐路」に立つまでに視野を広げること、経験を増やすことが今まで以上に必要であると考えます。
高校生であれば少し上の大学生世代、大学生であれば少し上の社会人というように、多様な世代の人との関わり合いや、起業体験やボランティアといった様々な社会体験を早い段階で経験することは、かけがえのない経験、刺激となり、大きく視野を広げる機会の一つとなります。
大切なことは、早い段階で今の自分と将来について考え、向き合う機会を増やすことです。
実際の社会の中で、自らが主体的に行動し、試行錯誤する過程こそ、本当の意味でキャリアを考える機会になるものと考えます。